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全社比較!長生きに備える保険・トンチン年金は何歳まで生きればお得なのか?

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2016年から大手保険会社が次々に発売し始めた、長生きするほど得をするトンチン保険。一体何歳まで生きれば元が取れるのか?現在発売中の全商品を徹底比較!長生きする自信さえあれば、入った方がお得なのか?その他、老後に備える保険についても解説します。

そもそもトンチン保険って何?

トンチン保険とは…

払い込んだ保険料を元に、生きている限り年金を受け取れるという仕組みの保険

長生きした少数の加入者がたくさんの年金を受け取れる反面、その他の加入者は元本割れとなる

日本でこの「トンチン保険」が注目を集めるようになったのは、ここ数年のことです。

このような年金の受け取り方の個人年金保険は、終身年金と言われ、個人年金保険の種類にはその他にも、確定年金や有期年金と言われる受け取り方の商品が存在します。※

2016年に日本生命が「グランエイジ」を発売し、約1年で4万件に迫る契約を集め話題になった後、2017年には第一生命が「ながいき物語」を、次いで太陽生命が「100歳時代年金」を発売しました。現在、日本で取り扱いのあるトンチン保険は以上3つです。

ちなみに、各社とも加入可能年齢は50歳以降となっています。

3社のトンチン保険を徹底比較

日本生命
グランエイジ
第一生命
ながいき物語
太陽生命
100歳時代の年金
ソルベンシー
マージン比率
グループ:933.9%
単体:896.0% *
881.8%**
835.1%**
加入年齢
男性50歳
女性50歳
男性50歳
女性50歳
男性50歳
女性50歳
受け取り開始時期
70歳
70歳
70歳
月払保険料
5万790円
6万2526円
4万8000円
6万円
4万5309円
6万1047円
払込総額
1218万9600円
1500万6240円
1152万円
1440万円
1087万4160円
1465万1280円
年金額
60万円
60万円
61万7000円
61万8700円
60万円
60万円
損益分岐年齢
90歳
95歳
88歳
93歳
88歳
94歳
返戻率(99歳時)
147.6%
119.9%
160.6%
128.8%
165.5%
122.8%
支払い保障期間
受け取り開始から5年
受け取り開始から10年
受け取り開始から5年

*2016年現在 **2018年3月現在

比較表まとめ

一番条件がいいのは太陽生命!だけど…

99歳時の返戻率を見比べると、男性は太陽生命が、女性は第一生命が一番良いです。特に太陽生命・男性の165.5%は、群を抜いています。

ただし、トンチン保険の場合、50歳から40~50年という長い間、保険会社との付き合いが続くので、返戻率だけでなく、経営が安定しているところを選ぶのも大切です。

健全性はソルベンシー・マージン比率で見極める

保険会社の健全性を確かめるのに役立つのが、ソルベンシー・マージン比率です。基本的に、この数字が大きいほど健全性が高いとされており、3社で見比べると、グループ全体としては900%を超える数値を誇る日本生命が一番、健全と言えます。

ちなみに、ソルベンシー・マージン比率が200%を下回ると、金融庁から業務改善を行うよう指導されます。今の段階では3社とも200%を大きく上回っており、経営は健全な状態です。

トンチン保険の“トンチン”って何?

日本では、2016年に登場したばかりのトンチン保険ですが、その原案は17世紀のイタリア人銀行家・ロレンツォ・トンティが作ったと言われています。そして、この考案者の名前にちなみトンチン保険と呼ばれるようになったのだとか。

17~19世紀のヨーロッパで大いに利用されたという記録もある歴史ある保険のひとつです。

長生きする自信さえあれば、入った方がお得なの?

トンチン保険が「長生きすればするほど得をする」なら、「うちは長生き家系だし、長生きする自信がある!」という人は、みんな入った方がお得なのでしょうか?

高額な保険料に注意!払込総額は1000万円超え。50~70歳まで毎月5万円も払える?

最初に説明した通り、現在発売されているトンチン保険は全て加入可能年齢が50歳からです。70歳から毎年60万円程度の年金を受け取りたい場合には、50歳から70歳までの20年間、毎月5万円程度の保険料を支払わなければなりません。

まだ現役で仕事をしている50歳のときには、難なく支払うことができても、退職した後も払い続けることができるのか、加入前にライフプランを立てて、しっかり考えてください。

なお、どの商品を選んでも、払込総額は1000万円を超える額となります。

中途解約&長生きできなかったら大損!? 解約返戻金・死亡返戻金は70%ほど

「長生きすれば得をする」の「得」の部分は、何も保険会社から出ているわけではありません。長生きした人が得をする一方、中途解約した人や早くに亡くなってしまった人は、元本割れしてしまいます。

中途解約した場合の返戻金も、年金をもらう前に死亡した場合の返戻金も払い込んだ額の70%程度となります。

各社の解約・死亡返戻金一覧

各社とも10年、15年では70%程度戻りますが、1年で解約したときの返戻率はかなり低いです。特に太陽生命では、1年目で死亡・解約すると40%以下の返戻率となります。

各社の詳しい解約・死亡返戻金・返戻率は以下の通りです。

日本生命 グランエイジ(男性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年 60万9000円 31万7000円 52.1%
10年 609万4000円 412万円 67.6%
15年 914万円 640万円 70.0%

日本生命 グランエイジ(女性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年 75万円 39万円 52.0%
10年 750万円 507万円 67.6%
15年 1125万円 784万円 69.7%

第一生命 ながいき物語(男性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年・死亡 57万6000円 40万円 69.4%
1年・解約 57万6000円 29万円 50.3%
10年 576万円 403万円 70.0%
15年 864万円 604万8000円 70.0%

第一生命 ながいき物語(女性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年・死亡 72万円 50万4000円 70.0%
1年・解約 72万円 36万9000円 51.3%
10年 720万円 504万円 70.0%
15年 1080万円 756万円 70.0%

太陽生命 100歳時代年金(男性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年 54万3708円 20万2800円 37.3%
10年 543万7080円 377万5200円 69.4%
15年 815万5620円 579万3600円 71.0%

太陽生命 100歳時代年金(女性)

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払込累計 返戻金 返戻率
1年 73万2564円 27万円 36.9%
10年 732万5640円 502万9800円 68.7%
15年 1098万8460円 771万9000円 70.2%

平均寿命より6~7年長生きして、やっとトントン

3社の損益分岐年齢(払い込んだ額と受け取る額がイコールになる年齢)の平均は、男性88.6歳、女性94歳です。対して、2016年度の平均寿命は、男性80.98歳、女性87.14歳です。

つまり男性で平均寿命プラス7.02歳、女性で6.86歳も長生きした時点でやっとトントン、この保険の旨味を味わうには、そこからさらに長生きしなければならないということです。

平均寿命と損益分岐年齢 比較表

平均寿命 3社の平均
損益分岐年齢
平均寿命より何年
長生きすればいい?
男性 80.98歳 88.6歳 +7.62年
女性 87.14歳 94歳 +6.86年

※平均寿命は厚生労働省調べ

平均寿命と平均余命は違う!けど…

雑誌や他サイトなどでは、トンチン保険を紹介する際「平均寿命と平均余命は違う!50歳まで生きた人はかなりの確率で90歳まで生きる」としていることがあります。

たしかに、平均寿命には0歳で亡くなった人も含まれているので、現在50歳の人が平均してあと何年生きられるのかを知りたいなら、平均寿命ではなく、平均余命を見るべきです。

というものの、厚生労働省調べによると、現在50歳の人の平均余命は、

男性32.54年(82.54歳)平均寿命+1.56歳

女性38.21年(88.21歳)平均寿命+1.07歳

と、平均寿命と1歳程度しか変わりません。つまり平均余命から見ても、平均よりもかなり長生きしなければ、得をできないということです。

とはいえ、長生きしたリスクに備えるという保険の本質に沿った商品!

こうして見ていくと「トンチン保険ってあんまり良くないのかも…」と思う人も多いかもしれませんが、そもそも保険とは「得をするもの」ではなく「リスクに備えるもの」です。

トンチン保険は、自分が想定していたよりも長生きをして、貯蓄がどんどん減っていき、90歳を過ぎてお金の心配をしなければならない、というリスクに備えることができるので、毎月の保険料を難なく払えるのであれば、十分に検討の余地があります。

また、今は各社とも50歳からしか加入できないため、月払保険料が高額ですが、いずれ若いうちから、もっと安い月払保険料で加入できる商品が登場するかもしれません。トンチン保険の今後に期待です!

結論はコレ!

トンチン保険で一番条件がいいのは太陽生命だけど…

現在、発売されている3社のトンチン保険を見比べると、3社とも加入可能年齢は50歳からで月払保険料は5万円程度です。

3社の中で一番条件がいいのは太陽生命ですが、1年目で死亡・解約した場合の返戻金が他社よりかなり少なく、払い込んだ分の40%程度になるので注意してください。

また、トンチン保険はまだ発売されて間もない商品で、実際に長生きをして恩恵を受けた人はいないため、手放しでおすすめすることはできません。

本当に自分にぴったりなものを選びたいなら、保険無料相談に行くのが得策

トンチン保険は長生きしたときのリスクに備えるためのものですが、老後の資金を用意したいのであれば、他にも候補となる保険・制度はたくさんあります。

たとえば…

円建て個人年金

  • 保険料を円で支払い、年金を円で受け取る一般的な私的年金
  • 将来、インフレが起こると実質の年金額が少なくなる
  • 現在、マイナス金利の影響で、魅力的な商品が少ない
確実性 強制力 インフレ

個人型確定拠出年金(iDeCo)

  • 税金の優遇が受けられる私的年金制度
  • 20歳~60歳未満であれば、ほぼ全員加入できる
  • 自分の運用次第で、60歳以降に受け取る老齢給付金が増減する
  • ただし、絶対に元本割れしない選択肢もあり
確実性 強制力 インフレ
○~△

外貨建て終身保険

  • 保険料を外貨で支払い、年金を外貨で受け取る終身保険
  • 死亡、あるいは高度障害状態になったときに保険金が支払われる
  • 払込満了後、必要なときに解約することも、そのまま契約を継続し、死亡時に家族にお金を残すこともできる
  • 現在、主流の商品は運用利率が金利に連動して上下するので、インフレに強い
  • 為替相場の変動により、元本割れする可能性もある
確実性 強制力 インフレ

など

この3つはあくまでも候補の一部で、まだまだたくさんの選択肢があります。これらの保険や制度について、一つひとつきっちりと調べ、どれが自分に一番合っているのかを見極めるのは、かなり困難な上、時間もかかります。

保険を活用して、老後の資金を準備したいと考えている人は、まず保険無料相談へ行き、

自分が毎月支払える保険料は、いくらくらいか?

どんな風に資金を受け取りたいか?

などの希望を話した後、希望に沿った方法、商品をピックアップしてもらうのがおすすめです。プロの意見を踏まえて、自分にぴったりの方法を見つけてください。

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